NY邦人メンタルヘルスネットワーク主催Continuing Education Skill-Up Series 第4回の報告

NY邦人メンタルヘルスネットワーク主催のContinuing Education Skill-Up Seriesの一環として、11月30日金曜日に表西恵さんを講師としてAcceptance and Commitment Therapyのワークショップを行いました。
第一回目の花川ゆうこさんのAEDP療法、第二回目の安田寛さんのゲシュタルトセラピー、第三回目小川裕美子さんのプレイセラピーに続き、今回で早くも4回目となります。表西めぐみさんは、マンハッタンにあるJapanese Medical CareクリニックでStaff Psychologistとして心理臨床活動をしておられます。

Counseling Psychologist表西恵さん

ACTは比較的新しい心理療法で、抑うつ気分や不安などのネガティブな感情や苦悩を無理に軽減させようとはせず、それらをAcceptしながらも、自分自身のコアにある価値観に気付き、それに沿った行動をすることにCommitしていくことでWell-being心理的健康が高まっていくという新しい療法で、アメリカだけでなく他国でも注目されています。
以下、表西さんによるACTの説明です。
「苦悩は避けられないもので誰にでも起こるものです。苦悩を避けようとかどうにかコントロールしようとすることが、苦悩をさらに増す原因となり、いたずらに問題を長びかせます。Acceptance and Commitment Therapy(ACT)は苦悩があったとしても、それと共に生きる道をみつけ、今この瞬間から自分が思い描く人生や、自分のありたい姿に向かって人生を歩んでいくためのコミットメントを増やしていくことを目指すテラピーです。 」

10名の方が参加されましたが、そのほとんどがアメリカでMental health clinicianとしてのライセンスを持ち日々臨床活動されており、たくさんの質問、活発なディスカッションがありました。感想として「このような新しく、すぐに使えそうな心理療法を学べてよかった、ぜひ取り入れたい」、「日本人の性質やニーズに合った療法に出会えて有意義だった」、「セッションで役立ちそうないろいろなツールやエクササイズが学べた」、「今後もこのような新しい療法を学ぶ機会を期待する」などの声がありました。

次回のSkill-Up シリーズは、今回のACTワークショップにも参加されていたClinical Psychologistの加藤さおりさんより、Crisis Interventionをトピックに行う予定です。

NY邦人メンタルヘルスネットワーク副代表
森真佐子