カンボジアの現状:ラッフルズメディカルカンボジア八木加奈恵先生
ラッフルズメディカルカンボジアに勤務しております八木加奈恵と申します。
私はカンボジアの首都プノンペンでカンボジア人の夫の家族と共に生活しています。
本日はカンボジアの現状についてお伝えしたいと思います。
カンボジアでは4月12日までに122例のCovid-19陽性例が報告されましたが、それ以降新規陽性例は報告されておらず、現在122名全ての人が回復したと報告されています。死亡者はゼロです。
陽性例は主に海外から帰国した人、外国人旅行者、もしくはそれらの人とコンタクトのあった人(家族やツアーガイドなど)でローカルでの感染拡大は報告されませんでした。
陽性例が日々報告されている間はロックダウンは行われなかったものの学校、映画館やカラオケなどは閉鎖され、街中にはかなり人が減っていました。現在はこの1ヶ月新規感染者の報告がないので街中に少しずつ人が増えている印象です。交通渋滞も少し見られるようになっています。それでもまだ全体的には自粛モードではあります。レストランやスーパー、イオンモールなどは体温チェックとアルコール消毒が必須ですが、先日あるレストランで体温が34.7℃でOKになったのはカンボジアのゆるいところです(体温計が壊れてないかなど気にしません)。
ただ新規感染者の報告が1ヶ月ゼロにも関わらず、学校再開は11月の予定と先日政府から発表があり途方に暮れているところです。
カンボジアは医療後進国であるため、国内で感染が爆発すればすぐに医療崩壊に陥ると思われます。Covid-19感染者はプライベートの病院では治療をしてはいけない方針となっているので、感染した場合政府系の病院に入院する必要がありますが、病院の環境は劣悪ですし医療スタッフの質も日本とは比べ物にならないくらい低いです。ですので予防に徹するのが最善策かと思います。
カンボジアは中国からの渡航者がかなり多いにも関わらずCovid-19陽性者があまり多くない理由としては、人口密度が他国の大都市と比較して低いこと、三密になる場所が少ないこと、高温多湿の気候であること、国民が政府の支持に従うこと、医療レベルが低いので国民が感染を恐れて予防措置を比較的きちんとおこなうことなどが挙げられていました(エビデンスは無いです)。
4月11日を最後にプノンペン-東京のANA直行便が運行されなくなりました。このため3月末から4月上旬に駐在員の帯同家族等かなりの日本人が日本に帰国されました。
現在カンボジアへの入国に関してですが、*イタリア、ドイツ、スペイン、フランス、アメリカ、イランからの入国が禁止されています(*5月20日入国禁止解除)。またそれ以外の国からは新規アライバルビザ発行の停止及びCovid-19陰性証明、保険額5万ドル以上の保険証書の提示が必要です。日本からは韓国経由でカンボジアに渡航できますが、先日韓国からのフライトの乗客全員がPCR検査の対象となり、空軍基地の施設に隔離されたようです。この隔離施設の環境も劣悪であり、一時的に日本に帰国された方はカンボジアに戻るタイミングをどうするかが難しくなっています。
以上がカンボジアの現状です。
Dr Kanae Yagi
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