児童期や青年期の子どもたちへのサポート

安心させる:子どもたちは、生活する上で重要な大人から情緒的な手がかりを得て
います。ですから、大人の反応はとても重要です。子どもたちのなかには、地震や
自然災害がまたもや家に被害をもたらすのではないかと心配している子どもがいる
ことを心に留めましょう。子どもたちに、安全な場所について説明してやり、あな
たや他の大人たちがしっかり守ることを伝えて安心させてください。

・良き聞き手になり見守る:子どもたちが心配していることや、何を求めているかに
ついてよく観察してください。子どもが悲劇に気をかけていないなら、くどくどと
触れないでいいでしょう。ただし、子どもたちが質問してきたら、できるかぎり心
を配って答えてあげてください。小さい子ほど、自分の気持ちを言葉で表現できま
せん。行動や、かかわりのなかでみられる変化に注意を払ってください。

・ニュースをチェックする:災害それ自体や、怪我・飢え・病気などで苦しんでいる
人たちのイメージはしだいに膨らんでいきます。特に、幼い子は、現実とテレビの
中のイメージとを区別することができません。他方、年長の子どもはニュースを選
んで見るかもしれません。見たことについて話合ったり、見通しを持てるようにサ
ポートしてあげてください。

・人間の粘り強さ(レジリエンシー)を強調する:人間の能力には、悲劇的なできご
とを克服し、生きぬいていく力があることを、子どもにわかるように支援してくだ
さい。そして、困難時に生活の中でどのように対応したかという観点から、子ども
自身にもコンピテンス(潜在能力)が備わっていることに気づかせましょう。子ど
もの年齢にふさわしい言葉で、人間、コミュニティ、あるいは国々がこれまでに
数々の災害について乗り切ってきたことに気づかせます。また、被災地の人たちの
創意、創造、そして、粘り強さについて強調してください。

・思いやりや人間性に気づかせる:大規模な悲劇は、しばしば周りの国々から素晴ら
しい支援の手や思いやりをもたらしてくれます。行政、非営利団体、個人などから
の援助に注意を向けるように促してください。

・できるだけ普通の生活を維持する:子どもたち自身が自分のリアクションに対応す
るように促すことは大切です。それが、平常心を養います。いつもと同じ家族の行動、
クラス、放課後の活動、そして友達は子どもに安心感と役割意識をもたせることに
役立ちます。

・家族と過ごさせる:家族と一緒にいることは、困った時や悲しい時には常に大切な
ことです。たとえ、悲劇による深刻な影響がなくても、こういう時こそ、家族の一
員として、また、家族を理解する絶好の機会です。何かを一緒にすることは、子ど
もの安定性と繋がりの意識を高めます。

・一緒に困っている人を支援する:「行動を起こす」ことは、子どもに効力感をもた
せ、より強い繋がりを実感するうえでもっとも有効です。国際的な災害義援団体へ
の個人の募金、学校やコミュニティの支援金集め、コミュニティで困っている家族
を支える活動などが含まれます。

・固定観念をもって見ない:被災地の人たちに、起こった災害の責めを負わさないよ
うにします。代わりに、創意、創造、そして粘り強さ(レジリエンス)があること
を強調します。災いを宗教的な観点から説明するのは控えましょう。代わりに、支
援の手を差し出します。時間の長さにかかわらず、災害後に悲惨な状況におかれ、
再興や救出の望みがなくなる恐れがあると、人は、暴力などの、自暴自棄な行動に
一般的に走りがちです。

・必要なら援助を求める:このような悲劇は、直接被害を受けた家族、特に大切な人
を失った人には特に、大変な苦しみを与えます。その際、コミュニティと繋がるこ
とは大変有益なことです。つぶされそうな気持に対処していくために、メンタルヘ
ルスの専門家のさらなる援助を求めることも大切です。

・学校と連絡をとりましょう:直接被災した子どもたちは、学業ができないほどの大き
なストレスを抱えていると考えられます。そのため、教員は、生徒がどんな支援や
配慮が必要かを判断し、保護者と一緒に、学業が遅れないための支援計画をつくっ
ていく必要があります。

学校心理士、ソーシャルワーカー、カウンセラーによっても、別の特別な支援を提
供することが可能です。

Tips for Supporting Children and Youth

Translated by Elina Saeki, Doctoral Candidate in School Psychology University of California, Santa Barbara, in collaboration with Dr.
Toshinori Ishikuma faculty at Tsukuba University, Dr. Yayoi Watanabe faculty at Hosei University, and Dr. Shane Jimerson, faculty at the University of California, Santa Barbara, with permission of the National Association of School Psychologists.

©2011, National Association of School Psychologists, 4340 East West Highway #402, Bethesda, MD 20814 This and other crisis information is available on the NASP website at www.nasponline.org